以前にNHKで放送されていて、つい先ごろ反響が大きく2回目が放送されていました。
番組を見た人はこの意味がわかると思いますがちょっとだけ解説をします。
今、たったひとりで死を迎えたり、親しい人がいないでひとりで生きているという人が増えています。家族、地域社会などとのつながりが希薄になったためにそういう人が増えているのです。
第1回目の放送では3万2千人もの人がたったひとりで死んで行くという現実を紹介していました。この放送を見て、特に30、40代の人がブログやツイッターなどネットへの書き込みを多くしたそうです。その多くはこれは人ごとではなく自分もそうなるのではないかという不安が根底にあるためです。
今の社会は技術が進歩し、個人の暮らしをより快適にするためのものがたくさんあります。特に今のパソコンや携帯電話やインタネットが爆発的に普及してからはそれが顕著になっています。こうなると人と人とのつきあいがわずらわしくなったり、なくても特に不便を感じなくなっているのでしょう。
このようなことが無縁社会の背景にあるわけです。決して、科学技術の進歩は悪いことではありません。ただ、どのように利用するかにより人間の生活に大きな影響をあたえるということです。
昔は不便であるためにそれを補うため助け合うことが必然でした。今でも助け合うことは必要ですが、多くのことが自分だけでも完結してしまうようになってきています。それは自立とも言えるのかもしれませんが実際は孤立なのかもしれません。
無縁社会は孤立化した社会です。これはとても悲しく、つらいことだと感じますが実際に選択している人が多いのでしょう。
「無縁社会が問題ではないか」ということでNHKがこの話題を取り上げています。実際に問題かどうかは人により見解がわかれるでしょう。
この無縁社会ですがある見方をするとひとつの大きな流れに向かっていると感じます。
それは「縁」とまり「つながり」が何をベースとするかということです。今までのつながりというと「血縁による家族のつながり」、「地縁による地域とのつながり」、「会社や学校という帰属」というつながりが多かったと思います。
しかし、これからはもっと別の形でのつながりが増えていくのではないでしょうか。それは
「価値観」
によるつながりです。
同じ価値観を持つ人同士がつながり、家族のようになっていくというものです。
そしてこの価値観自体も変化をしていきます。どのような変化かというと、本来の自分自身に目覚めていく方向に行くか、過去にすがりついて行くかです。
自分の持っている価値観を守りたいと思えば後者となります。価値観を変える勇気を持つ人は前者となります。
無縁社会は縁がなくなる社会ではなく、新たな縁が創造されるプロセスに過ぎないと思います。
そしてどのようなつながりを持つかは個人個人の選択にかかっています。