昨日、NHK総合のザ・コーチ 人生ノ教科書「横道にそれてもいいんだ~伝説の国語教師 橋本武~」 という番組を見ました。
私が学んでいるコーチングとも大いに関係があります。
主人公は、元国語教師・橋本武さん(97歳)。橋本さんは、神戸の中高一貫校、灘中学・灘高校で50年間教壇に立ち、かつては無名だったこの高校を私立としては初めて東大合格者数日本一に押し上げることに貢献した“伝説の国語教師”です。
授業は世の中の受験勉強とは全く異なるものです。教科書代わりに使ったのは、一冊の文庫本、中勘助の小説「銀の匙(さじ)」です。主人公は生徒と同じ世代の少年で、この本だけで中学の3年間かけて読み込む異色の授業です。この授業により国語嫌いだった生徒から学ぶ意欲を引き出しやがて数多くの生徒を東大へと導きました。
何がすごいといっても今一番すごいのは、今の教育に最も必要な「生徒の力を引き出す」ように教えていることです。
分かる喜び、自分で探求する喜びを味わうことのすごさ、楽しさを知ってもらうことが大事なのです。
たった1冊の文庫本のたった1つの言葉に対し、その言葉の意味や背景を広げます。だから授業は脱線するのが当たり前で、200ページの単行本が前に全く進まないのです。ある時、生徒達は不安になり先生に聞きました。
「この調子だと最後まで終わらないのではないですか?」
その時、橋本先生は
「スピードが問題じゃない」
と答えたそうです。興味を持って深く掘り下げることが大事で、そこから新しく創造することができるのです。
これは私達の現代人にも言えることですが、あまりにも早く答えることを求めるため、深く探求することが少なくなりました。どんなことにでも奥深く掘り下げることで新しい発見があります。量も大事ですが質もまた大事なのです。
この番組大いに勉強になり、気づきがありました。なかなかよい番組です。