理不尽な思いをさせられたり、恐怖や不安を感じさせられたり、怒りを起こさせるような人がいたら、なかなか許せないと思えるのが人間です。
無理に許さないといけないと思うとまた、それが葛藤を生んでしまい、さらに苦しくなります。
許せない人を許すのはなかなか難しいものです。
ただ、仏教でもキリスト教でも許すことが大事だと教えています。
なぜなら、許さないと、許さない本人も苦しいし、許されない人も苦しむからです。まあ、許されない人が苦しまないこともありますが、少なくとも許されない人は苦しんでしまいます。
許すことができないと、相手のことがずっと記憶に残ってしまっていて、いつまでもそのことを考えてしまいます。それは、妄想や想像ですが、それが苦しみを生み出すんです。
では、許すためにはどうすればよいのでしょうか?
いろいろありますが、
・許せない人は、善悪がわかっていない精神的に幼い人なのだから、仕方がないのだ。こう思って許す(子供を許すのと同じです)
・今ここに意識を持っていき、考えないようにする(嫌な思いを感じた出来事は過去のことであり、過去に意識を持っていくから苦しくなるので、意識を今に持ってくる)
・許せないのは自分が相手から傷つけられた、責められた、など何らかの影響を受けたと思ったから生じます。これは受け止め方の問題であり、相手から何かをされたのはきっかけであり、原因ではないです。
・そもそも傷ついたり、不安になったり、苦しむ自分と言う存在は幻であり、ありません。自分がないのですから、自分が傷ついたり、不安になるのも幻に過ぎません。
・時が経過するのを待つ(時間が経つと、許せないことも次第に忘れていきます)
・音楽を聞いたり、運動をしたり、自分が癒されるようなことをする
・許せないのは何がそうさせるのかを内観する(許せない根本原因を見つけるプロセスを行うことで、何らかの気づきや洞察などが得られる)
・許せない気持ちや思いを人に話したり、ノートに書き留めたりする
・etc
いずれにしても、許せないという思いを手放した方が自分が楽です。
そして、可能ならばそういう機会に合わないようにした方がいいですが、相手が家族だったり、仕事の同僚だとなかなか、難しかったりしますね。
たぶん、そういう場合は因縁があるはずですから、仕方がありません。
修業だと思って、どう対応するかを自分なりに工夫して行く必要があるでしょう。
たぶん、そういうプロセスを踏むことで、相手へのよい対応方法が見つかるはずです。