将棋は子供の頃からの趣味のひとつであり、今でもたまにやったりします。子供の頃は木やプラスチックの将棋盤でやっていましたが今ではインターネットですね。いつでもできるのは便利です。将棋というのは西洋のチェスのようなゲームでお互いが駒を持ってそれぞれの王様を取り合うゲームです。ゲームと言ってもプロの世界では数千万円ものお金が動くビックビジネスでもあります。NHKの番組のプロフェッショナル仕事の流儀の再放送で「ライバル・スペシャル最強の二人、宿命の対決 名人戦 森内俊之 VS 羽生善治 」を見ました。この二人今の将棋界では最も強い棋士です。最近、渡辺竜王を筆頭とする二十代の若手棋士の台頭が著しい中、三十代棋士として今も第一線を競い合っているのです。将棋というすごく狭いカテゴリーの中で彼らは人生を賭けて勝負をしています。彼らが勝負の中で得られる気づきはすばらしいものがあります。私はどんな世界でもスピリチュアルな気づきがあると思いました。
・わかるとあきらめてしまう(羽生善治 )
強くなればなるほど、勝負の先が見えやすくなりす。すると勝負を捨ててしまい、早く負けを認めてしまうということです。一時、将棋で七冠王に輝いた後、こんな感じだったようです。でも実際勝負はどうなるかなどはわからないものです。もし不利だとしても相手が間違えれば逆転もあるのです。わかるということは好奇心がなくなることです。するとそこに注意がいかなくなります。つまりパワーが向かわないので負けが決定してしまうのです。
・信じてしまうと新しいものが創れない(羽生善治 )
はっとするような言葉です。信じてしまうとそれに固定してしまうからです。するとその信じているも以外の創造ができなくなってしまうことがあるのです。まあ、それでも悪くはないのですが、進歩はないのです。信じることをやめることは恐怖かも知れませんが新しいものを創造したい時にはそういう勇気も大事なのです。
・「倒したい相手であり、恩人。お手本である。」ライバル羽生氏に対して(森内俊之)
謙虚な森内氏らしい発現です。30代でやっとタイトルを獲得した遅咲きの努力人です。羽生氏に劣等感を抱きながら20年以上戦ってきたそうです。ライバルがいるからこそここまでこれたということでしょうね。
・「自分の持っていないものを提示してくれる。」ライバル森内氏に対して(羽生善治 )
多観点な見方を提示してくれる存在がライバルなのでしょう。自分の見方だけにかたよるとどうしても固定化されがちです。他人の見方も合わせて取り入れると自分という存在がまた一歩広がるのです。たくさんの観点を持つことは自分を成長に導きます。
・羽生氏の大切にしている言葉 『玲瓏』
美しく澄みきって一点の曇りもないということです。そこには不安も抵抗もなくただ存在しているだけという感じでしょう。
・森内氏の大切にしている言葉 『無心』
こだわりもがない、雑念のない状態です。やはり不安も抵抗もなくただ存在している感じです。
二人とも言葉は違いますが大事にしている核心は同じです。ただそこに在るということが勝負の世界でも大事なことなのです。これは私達の人生にとっても同じ事ではないでしょうか。