「老いることをどうして怖がるんですか」
12月 29th, 2012 by Atom
ひろさちやさんの著作です。
ひろさちやさんは、本をたくさん書いています。何冊か読ませていただいていますが、常識とは逆のことを言うことが結構ありますが、なるほどと思わせる説得力のある方です。
いくつか気づきがありました。
例えば、老後は不安になります。「不安を解消して安心するにはどうしたらよいでしょうか?」という質問に対して、
安心の境地なんてない。心が騒ぐ時は騒ぐ。かーっとなる時はかーっとなる。煩悩だから簡単に収まらない。
で、結局、不安や怒りを鎮めることはできないが、それを増やすようなことをしないようにすればいい。するといずれ消えていく。
不安な時に、不安を煽るようなことをせずに、忘れること。
要するに”あるがまま”であり、こだわらないってことです。
ひろさんは、基本的に仏教哲学をベースに生きている方だと思いますが、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、道教、儒教、神道などにも通じていて、比較しながら話されています。
だから、ひとつの側面だけでなく、多面的に見ています。
さて、タイトルの「老いることをどうして怖がるんですか」ですが、私は怖がってもいいし、怖がらなくてもいいと思います。
恐がる理由は死についてわからないから(老いは死へ近づくため)ですが、死は考えてもわかるものではありません。だから考えないで、生きることに意識を向ける。それでいい。
先ほどの不安も同じことです。不安な対象に意識を向けるから不安になる。
今に意識を向けるなら、不安はない。不安は自分が創り出しているだけ。
まあ、実際には、いろいろな不安や恐れに意識を向けてしまうのが私達なのですが、そういう時はそうすればいいだけです。
単に変化していく一側面に過ぎません。