矢沢永吉さん&糸井重里さんのお金の話
8月 2nd, 2010 by Atom
昨日、NHK教育テレビで矢沢永吉さんと糸井重里さんが「お金についての話」を対談した番組を見ました。
矢沢さんは歌手であると同時に自分の経営する制作会社の社長でもあります(スタッフが40人ぐらいいるそうです)。糸井さんとの付き合いは矢沢さんの本「成りあがり」を糸井さんがプロデュースした頃からの付き合いのようです。
矢沢さんは家庭が貧乏だったので若ころはロック歌手でお金を稼ぎたいと思っていて、
「キャデラックに乗ってハイライトを買いに行きたい」
と話していたそうです。
実際にそれは現実となり、お金持ちになりました。
矢沢さんは音楽だけをやっていたいと思っていたそうです。だから、自分が社長になるとは思っても見ませんでした。
ある時、奥さんorスタッフの人がコンサートの照明について、「あれはよくなかった」と話したそうです。
矢沢さんは「制作会社も自分たちの利益を確保するために削るところは削っているんだろう」と答えたそうですが
どこかで妥協していると落ちていくだけだという危機感も持っていたようです。ではどうするかと考えた時、自分で製作までやろうと思ったそうです。それで会社を立ち上げました。
最初の年はわけもわからず、2000万円の赤字でした。すべてに対して考えなしにお金をかけ過ぎてしまったのです。コンサートは満員御礼で利益が上がったいると思ったのでかなり落ち込んだそうです。
そして1998年、悪夢のような出来事が起こりました。オーストラリアのビル建設をめぐり、約35億円もの詐欺にあったのです。信頼していたスタッフの裏切りがあり、矢沢さんもかなり落ち込んだそうです。そして一週間は酒浸りで過ごしました。
しかし、その後、奥さんやスタッフから、「あなただったら借金があってもなんとかできる」と言われたそうです。自分が根が単純だからとそこからなんとか頑張り、借金を返したそうです。
矢沢さんのお子さんは3人いるそうですが、その子供達にいつも言っているいることが
「いつか苦労する時がやってくること」
「自分のケツは自分でふけ」
ということです。
今の自分を努力して築いてきた矢沢さんだからこそ、説得力があります。
何事を成すににも簡単であることはあまりありません。どんな人でもその人なりの苦しみはあるのです。
そして自己責任。責任をとらないことがこの国の問題の根本にあると語っていました。
国や役人に対しても「自分のお金ではないという発想が根底にある」ということを語っていて「なるほど」と思いました。
もし、自分のポケットマネーを出すとしたら、無駄なお金の使い方などはしないでしょう。価値あることにお金を使いたいと思うはずです。
いっそのこと、国民ひとりひとりがどのようなことに自分の払った税金の使い方をどのようなことに使うかの選択権を持てるようにしたらいいかもしれません。
また矢沢さんは自分の人生を振り返りながら
「いろいろなことがあったが今、思うとすべて必要だった」
と語っていました。
矢沢さんは経験を通し、自分の人生が無駄ではなく、すべて価値があるものだと悟っているようでした。
私は矢沢さんの曲は知っていますがファンでもないし、特に興味もありませんでした。
しかし、対談を見て、この人の正直さは素晴らしいと感じました。
若い頃はお金が欲しいと正直に言い、一部では反感を買い、また一方では共感も得ていました。
矢沢さん自信若い頃に、「お金がすべてではないとわかっていてもお金が欲しいと言いたかった。」
と語ってました。
私は「私は正直者です」と嘘をつくより「私は嘘つきです」と正直に話すほうがよほどいいと思います。
嘘をなぜつくかというと嘘をつくことが自分にとってよい結果になると思ってしまうからです。ですがそこには嘘をつかなければよい結果にならない、つまり本当のことを言う事への恐れがあるのです。
これからの時代、正直であることがますます大事になってきます。
ありのままの自分を出していく時代です。