移植外科医、加藤友朗氏
1月 20th, 2010 by Atom
NHKの番組、プロフェッショナル仕事の流儀より
アメリカ、ニューヨークの大学病院に勤務している加藤友朗氏は超一流の移植外科医です。彼のもとには世界各地から臓器が機能しなくなりどうしようもなくなった患者さんがやってきます。加藤さんの仕事は機能しなくなった臓器を切除し、脳死した人や親族などから提供された臓器を移植し人を助けることです。
加藤さんは今でこそ、超一流の移植外科医ですがその道は困難だったようです。医者にあこがれ医学大学を卒業し、研修医となり、その後、技術をもっとも身につけたいとアメリカに渡ります。そして日本では一般的ではない、移植外科医の道を志します。
アメリカはすぐれた移植外科技術がありました。移植した患者さんが移植後、短期間で快復する姿を見て、加藤さんは衝撃を受けたそうです。アメリカで学ぶこととなり、壁にぶつかりました。それは言葉の壁です。アメリカ人は早口で、容赦なく、しゃべります。普通レベルの会話ではとても追いつかないようです。そのため、一時は、首になるところまで追い込まれたのです。でもその時、ある日本の恩師の方に言われたことがあるそうです。
「人が嫌がる仕事をしろ」
加藤さんは当直や検査などあまり人がやりたくないと思う仕事を率先して、やりました。その後、わかったことだそうですが、加藤さんは看護師からの評判が良かったそうです。そのため、首にならなくて済んだようです。
加藤さんは手術を徹底的に見て、学びました。そして、チャンスがやってきました。第三助手として手術室に入り、その時、第二助手がうまくサポートできなかったためにサポートを代わりにやり、完璧にこなしたのです。そこから流れが変わりました。いろいろな仕事をまかされるようになり、2年後ぐらいには一目おかれるようになったのです。
移植外科医の仕事は非常に細かく、神経をすり減らす仕事です。1mmにも満たない間隔に針と糸を通しながら、移植作業を行います。
紹介されていた手術の中には24時間を超えるものもありました。一睡もせず手術を続ける加藤さんの姿には人を助けるという使命感と責任感があります。難関の手術を終えたその顔には安堵感と喜びがありました。
人の命を救う仕事は非上に価値があります。患者さんも医師も命がいかに尊いものか、大事なものかを実感し、そして助かった時に感謝があります。医師にとって患者さんやその家族に感謝され、喜んでもらうことは、最大の喜びになります。
医師に限らずですが、どんな仕事にもそこには喜びを見いだすことができます。
見方を変えればどんな仕事でも奉仕なのです。大事なことは自分がもっとも喜びが大きいと感じることをすればいいのです。それはこの世界における貢献になります。