TV東京のルビコンの決断という番組を昨日見ました。この番組を定期的に見ているわけではないですが結構、おもしろいです。昨日は大塚製薬のポカリスエットがどのように生まれ、ヒットしたかの話しでした。この中で印象に残ったことは
1、ポカリスエットがスポーツドリンクという新ジャンルへの新しい挑戦だったこと
2、まず、売るよりも知ってもらうことを第一としたこと
3、売れてからも利益だけでなくコンセプトを広めていること
です。
まず1ですが、ポカリスエットは30年ぐらい前に発売されましたが当時はスポーツドリンクというジャンルはなく、炭酸飲料や果汁飲料が売れ筋でした。しかし、ジョギングが流行りだし、これから健康志向が高まることで汗で流れた、水分やミネラルを補給することが必ず要求されることを大塚製薬の3代目社長、大塚明彦氏は予見していたそうです。このチャレンジは当時としては役員すべてが反対する大きな決断でした。
次に2ですが、最初、ポカリスエットは甘さが少なく、少し変な味ということで全く売れませんでした。それでも大塚社長はポカリスエットは新しい商品のため、知ってもらうことが第一と考え、社員に野球少年や汗をかいている人に無償でポカリスエットを配らせ、その効用について説明をさせました。この無償配布は1年続いたそうです。その次の年に変化が起こりました。なんとポカリスエットのよさを知った人達からの注文がどんどん増えてきたのです。すると火がついたように売れ出しました。最初は競合相手がなかったため、爆発的に売れたのです。
最後に3です。ポカリスエットは今では大塚製薬の主力商品となるまで成長しました。今では他社からもこのジャンルでの商品はたくさん発売されています。大塚製薬は今でもコンセプトを広げるために世界中で無料配布をしているそうです。そしてポカリスエットの成分や人間の体がほとんど水分でできるていることなどをわかりやすく説明しているそうです。
「商品を売るのではなくコンセプトを売る」
ことを実践しているのです。
ビジネスでもそうですがコミュニケーションで大事なことは相手にわかってもらうことです。いくらよい商品でも相手がその価値をわからなければ、商品は売れません。そのためには自分がどれだけその商品を知っているかが鍵になります。そしてその商品の価値を理解し、きちんとわかりやすく説明することが大事です。さらに言葉として知識だけではなく、心からその商品の価値を信じ、把握して、伝えたいという気持ちが大切です。