第十三章 いまだ問われざる問い
ハトホル
「意識の領域や高次意識への可能性を探求してきたなかで、あなたの問う質問があなたの受け取る答えを決定することにおそらく気づかれたのではないでしょうか。そこでこの最終章は「いまだ問われざる問い」と名付けたいと思います。答えは質問そのものに包含(ほうがん)されていますからもっともエルところの大きな回答がそこにおのずと姿を現すような的を射た質問をすることが大事です。私達が人類の進化のパターンを見る限り、人類の大半が小さな世界や欲望や願い、あるいは個人的なファンタジーの満足にはまり込んでいることは明らかです。いうなれば各人がばらばらに動いているかに見えます。したがって人々の中心的な関心事は「自分はここから何を受け取ることができるのか」という問いになります。中略。友であるみなさん、いまだに問われざる問いとはその回答があなたに最大の自由と進化への最高の加速と気づきの厖大(ぼうだい)な広がりとあなた自身の意識のもっとも偉大な統御(とうぎょ)をもたらすような問いのことです。生命に関するもっとも深淵で奥深い神秘への答えはこの重大な問いの中にあるのです。その質問の文脈は人は進みゆく大いなる生命体験のいちぶでありるという悟りから生まれます。生命は自らを生き、あなたを含め無数の形をとって必然的に自らを表出させているのです。中略。あなた自身の必要性や願望という意識をシフトさせ「この状況で少しでもよい結果をもたらすために私にできることは何か」といういまだに問われざる問いに転じることであなたの意識は進化します。文脈ががらりと変化したのがおわかりでしょうか。あなた個人の要求のみに注目し専心していたのがさまざまな形を通して集合的表出がなされる生命レベルにまで自身の意識を拡大するという選択があなたの意識を通してなされたのです。中略。「愛されたければ愛しなさい」という言葉がありますがこれも今論じている問いにつながります。もし自分が愛されたいと望むのなら愛のエネルギーを自分以外の人にまで広げてください。あなたの愛があふれ出し、人々にまでとどけば磁気と共鳴の法則により愛は反響してあなたに返ってきます。ただしこの素晴らしい法則を使うにはあなた自身が自分の信念や反応や欲望という小さな世界を超越している必要があります。自分を犠牲にすることなく、可能とあればバランスのとれた統合性のあるやり方で他に手を差し伸べるという意識を広げることで個人の気づきは大いなる全体へと拡大します。あなたにかぎらずまわりに存在するありとあらゆるもののなかで何が自らを表出しているのかに気づけるようになった時、あなたの意識は大きく広がるでしょう。中略。どんなものも知覚者の意識状態を通して知覚されるため知覚されたものはすべて意識状態と相関関係にあります。したがってある意識状態では否定的な事態に思えたものが現に別の意識状態では肯定的なものとして体験される可能性があるのです。あなたがたの暮らす相対的宇宙においては拘束力のあるもの、絶対的なものは存在しません。唯一、絶対不変であるのはあなた自身の意識のもっとも深奥(しんおう)なる不動の中心だけなのです。中略。「この状況に少しでもよい結果をもたらすために私にできることは何か。私を通して生命のもっとも深遠なる目的に貢献するにはここで私は何ができるのか」このいまだ問われざる問いを発する時、奇跡があなたを待っているでしょう。中略。」
中略
ハトホル
「中略。たとえ相手が見ず知らずの人でも背景や信仰がわからなくともその存在もまた生命の一部であるとあなたが気づいていることを相手に示してください。あなたのエネルギー場にそうした意思を保てば愛と受容が相手に伝わります。それが生命への貢献です。中略」
中略
ハトホル
「本書をむすぶにあたり、ひとこと申し上げます。人類、ひいてはあなた自身の中に存在している大いなる神秘は自ら明らかになってあなたを魅了する日を待っています。それがかなうために必要なのはあとほんの少しの愛だけです。どうかあなた自身を愛してください。あらゆる存在を愛してください。必要なことというのはそれはシンプルです。どんなときにも、どこにいても愛と共にありますように。」
私達の意識をどう変えるかにすべてがかかっています。私達は相対的にしか意識を意識させていないのですが絶対的な意識となった時、すべてが変わります。安定し喜びと受容の中にいて至福の状態となります。この絶対的な意識状態がいわゆる悟りやワンネスなのではないでしょうか。私達の意識こそが最大の不思議であり探求する価値のあるものでしょう。