第十章 鍵としての音ハトホル
「顕在化した宇宙にあるものは本来がすべて振動しています。地球の科学は存在するものはみな振動しており、みな形態と同様に音ないし振動(波動)があること、さらに形態と振動には互換性があるという事実を解明しつつあります。あるものの形態とその振動周波数には直接的な関係があります。私達の見解では人は光や音をともなう様々なエネルギー場の複合体です。人の体内器官や組織系統を構成する多様な細胞はどれも複雑な音声的振動周波数を発し、他の細胞との間で細胞レベルの共鳴ないし共振をしています。実際、あなたの体という宇宙はその全体が「歩く交響楽(シンフォニー)」なのです。これは単なる比喩ではなく、あなたは滝のようなエネルギーの流れと共鳴音を発している光の卵です。言ってみればあなたの体はいろいろな力によって作り出された定常波の波形であり、あなたの体を構成するその様々な永続的な波形が地球と共鳴しています。ですから地球が経験している共鳴音の変化にあなたの体も影響を受けることになります。現在、地球は重大な変遷期にあり、自らの共鳴や振動を変化させながら新しいバランス状態へと移行しつつあります。したがってあなたの体も、細胞、原子、原子内レベルにいたるまで共鳴共振エネルギー場(共鳴場)が新たなバランスへと変わりつつあり、そのことが体内器官や組織系統に影響しているのです。このことは体内で途方もない生物的ストレスを生み出しています。こうしたストレスは時として病気、疲労、興奮などといった肉体的問題として現れ、また感情面での動揺ももたらします。感情とは実際は脳内の神経学的パターンを含む多層的な現象であるため、感情にも音や振動があります。体内のホルモン反応も感情の変化に関係しています。感情は呼吸パターンや血液中の酸素量および成分の変化にも作用を及ぼします。こうした変化はそれぞれ独自の倍音(ハーモニクス)を誘発します。その時の振動の変化は探知されうるものでまさに地球の科学はそこにたどり着こうとしているのです。あらゆる感情には音声ないし振動の「シグネチャー」(その物質や過程に固有の特徴的な痕跡やしるし)があることが遠からず発見されるでしょう。そしてすべての感情はあたかも音楽の和音のようにあるものは旋律的で心をなごませ、あるものは耳障りな不協和音で癪に障るというふうに見分けれれるようになるでしょう。また感情の音あるいはシグネチャーは細胞間の共鳴をとおして特定の体内領域に保持されるというのも事実です。ここで申し上げたいのは例えば怒りの感情とその音声シグネチャーは一定の音質、音色、高低、密度を帯びているということです。そしてその音声シグネチャーは特定の体内領域に存在する細胞から細胞への共鳴によって発せられます。怒りは多くの人が胸部の上方と両腕の表皮に近い部分で感じます。また悲しみは往々にしてハート・チャクラ周辺、および目の内部やそのまわりで感じます。そのようにどんな感情や感情反応も体内の細胞間の共鳴場から発されているのです。また、それぞれの反応やパターンには体内化学反応や電磁場的な見地からして特定の作用があります。中略。基本的にあらゆるものごとはそれがどのような形態をとっていたとしてもその本質は振動(波動)であるとうことを忘れないでいただきたいのです。したがって正確な振動を用いれば特定の形態にそれを共鳴させたり反応させたりすることが可能です。気づきと意図と自分の声の音を使えば、顕在化した万物のどんな意識レベルにも変化を起こすことができるのです。これは人類の生得権の一つには違いないのですが自分から発される音が充分に精密正確であるという強い明確な意図を持てるほど気づきが深まっていなければその技術をマスターすることはかないません。そうした振動が合わさる時、それは絶大な力となり、文字通りどんなレベルの物質的様相をも変化させることができます。それが一部の人には信じがたい出来事として映るのです。私達は人類全体がこのような音を使ったヒーリングの素質が基本的に備わっていることを理解され、積極的に日常生活に取り入れていただきたいと願っています。中略。」
ヴァージニア
「それではエネルギー的観点から見た場合、私達人類がより高次の意識を活性化させていくためにちゃんとできていることは何かあるでしょうか。人類の中でも少なくとも一部の人々はすでに目覚めの道を歩みはじめています。また、この目覚めの道を加速させるには他にどんなことができるでしょう。」
ハトホル
「エネルギー的な観点から見るとより高次の意識や愛という感情の資質を養うことが真実との直感的なつながりを強めることになります。したがって人はもっと愛すること、もっと自他を赦(ゆる)すことができれば大蛇アポフィスならぬ幻影にはまってしまう危険性は少なくなります。あなたは自分の選択によって解放されるのです。「自由になるかどうかは自分次第である」というのが鍵です。中略。」
ヴァージニア
「ではあなたがたがご覧になって、人類にも進歩が認められるということでしょうか。」
ハトホル
「はい。しかし理解していただきたいのは進歩は個人レベルで起こり、それから他にも広まるということです。それが滝のような波及効果を呼び、さらにもっとたくさんの人達が目覚めるのです。覚醒のプロセスの目的は一人でも多くの人を巻き込んでいくことですが・・・今それが起こりつつあるのです。もちろん、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどのマスコミを通じて見る世界の事件からは本当のニュース報道は伝わってきません。そこであなたが得るものはこの二元的世界の基礎的認識結果の報告にすぎないのであって、実際に起こっていることを知らされているわけではありません。ところが実際には人類の感情と創造が自ら表出をはじめており、しかもしれが個人レベルで独自のやり方で起きはじめているという、きわめて素晴らしいルネッサンスを迎えているのです。これは地球という惑星が新たな意識レベルへと移行していることによる、途方もない流動的混乱状態の一側面でもあります。したがってニュースは災禍(さいか)や悲惨な事件は伝えても今、地球上の個人に起こっている感情その他における奇跡的治癒についてはあまり報道しませんし、ほとんどの場合、マスコミはそれれに気づくことすらありません。」
中略。
すべてが振動(波動)であり感情が肉体の共鳴場から発せられるエネルギーでそれを抑圧するとストレスになるという理屈となります。私達現代人はストレスをためがちですがその解放のためには感情の叫びが大事なようです。よくカラオケで大声を出したり、悲しい映画を見て泣いたりそういうことで感情がすっきりすることは誰しも経験的にわかっています。これを日頃から意識的にやることにより感情のバランスがとれるようになるのだと思います。