第八章 聖なる元素
ハトホル
「私達は西欧文明に暮らす人々とはまったく違った見方で地球を眺めています。私達の見解はむしろ古代人や先住民族のそれに似通っています。私達の見方では神は地球や宇宙の創造主であるというよりはむしろ創造のプロセスそのものであり宇宙の物質的事物に本来備わっている属性であるというものです。また私達の解釈ではあなたが在るところに神もまた在ります。創造も在ります。実にあなたの存在しうるところで神が存在せぬところはありません。あなたは神の一部であり、創造の一部なのです。そしてそのことがすべての核にあります。創造は最小なる粒子の中にも存在し流動しています。この見方によれば物質的宇宙のすべては聖なる空間であり尊い神殿ということになります。今、人類の多くが地球の意識属性から切り離され隔絶した状態にあります。これは物質世界がすべての総体であると主張するあなたがたの文明の信念体系が作りだした意識の催眠状態によるものです。ここでお話ししたことは物質世界というものは体験領域のほんの一部に過ぎずまた神性から分かれることもなく常にその一部であるということです。地球意識を体験するには意識そのものの精妙な領域にアクセスし感知しなければなりません。そうした領域、すなわち「聖なる元素」が息づく意識として振動している原型的領域にアクセスすることにより、人はより壮大なる意識の連続体に気づくことができるのです(ここでいう原型的領域はスイス人心理学者のカール・ユングの「元型」とは違い、むしろ私達が「物質の地下世界」と呼ぶ世界に満ちている「原初の力」を意味します。これは意識が物質をたえず再生し続ける「下位の量子領域」という理論上の場所に似ています。「聖なる四大元素」はこの不断のプロセスの一部なのです)。ハトホルの世界にはそれらの四つの「聖なる元素」のそれぞれに対応する音があります。「エル(EL)」が土、「カー(KA)」が火、「リーム(LEEM)」が水、「オーム(OM)」が空間ないし気で、その四つが振動性連続体を形成しています。この元素の音を詠唱してそれらが存在する原型的領域に入ることができます。あたかもそうした音が知覚の扉を開き、元素の原型的領域が存在する意識の共鳴場へと移行をうながしてくれるかのようです。事実そうした領域に入りそこにしばらく留まることであなたの意識や知覚力は物質世界の深淵さを知り、意識の連続体内における物質的世界の位置をも感知できるまでに変化しうるのです。これからとても強力な練習をご紹介します。練習の基本となるのは「エル・カー・リーム・オーム」からなるマントラの詠唱で四人のグループで少なくとも四回唱えます。あなた自身、少なくとも四回詠唱することになるわけです。それから、次には十六回唱えるというように続けます。これは非常に強力な方法で私達はしばしば四の四乗である二五六回の詠唱を薦めています。これはあなたの意識が落ちつき、自分自身の様々な状態を通過して元素の原型的領域に入るのに充分な時間的猶予を持つことになります。あなたはそこで地球空間の広がりいっぱいに表現されている意識の存続とその連続体を直(じか)に見ることになるでしょう。中略。」
中略。
ここでは聖なる元素について述べられています。あまりピンとこないかもしれませんが(私もそうです)。「エル(EL)」が土、「カー(KA)」が火、「リーム(LEEM)」が水、「オーム(OM)」という四元素が創造のもたらす基本的な元素となるようです。マントラとは「真言」のことで要は神の言葉ということらしいです。唱えると神意識に近づけることかもしれません。そもそも私達は根源であるものから低次元であるすべての意識を包有している不思議な存在です。この三次元では肉体に縛られてまた全てを忘れてここにいるわけですがそれを実際に体験しないと自分が神などとはなかなか信じられないことでしょう。マントラなどの真言はその神意識となるための方法の一つととらえられるのではないかと思います。