第四章 自らを開くことへの恐れ
ハトホル
「私達の体験からして人類はとても魅力的な存在でそれにはたくさんの理由があります。特に興味深いのは人類のもっとも望んでいることが同時にもっとも恐れていることでもあるという点です。したがってより大いなる現実(リアリティー)、すなわちさらなる感情の自由さや霊的気づきに対して自らを開くということが人類の強い願望であると同時に恐れでもあるのです。愛に自らを開く事への恐れは実に様々な原因に端を発しています。率直に言ってそのいくつかは子供の時の育てられ方に起因しています。私達の文明におけるハトホルの子供達は人類の子供達よりはるかに大きな自由を享受しています。してよいことといけないことについてはきちんと教えられており限度を超えないことを前提にきわめて大きな自由が与えられているのです。人類の多くは幼児期のはじめに周囲の大人達の意図に屈するようエネルギーを無理やり歪(ゆが)められています。そしてその際に感情体やメンタル体にも否定的体験を刻み込まれます。そのため自由が恐れの原因になってしまっているのです。愛に自分を開くことへの人類の恐れについて私達が述べることを選択したのはあなたがたが感覚や感情と呼んでいるもののなかに進化と成長の加速にいたる手段が見出されるからです。人が自分の深い感覚を開こうとする時、多くの場合、同時にそれを体験する事への抑圧や恐怖がとても強いという傾向に私達は気づいています。そこでエネルギーとしての感覚がどのように動くのか、またそれが精妙なエネルギー諸体にどう影響するのかを説明しこのプロセスを安全に展開させる方法についていくつかの提案ができればと思っています。なぜなら進化や気づきへの壮大なる一歩は自らの感情や感覚を開く過程の中で起こるからです。それぞれの精妙なエネルギー体が特定の周波数に共鳴することをぜひ覚えて置いてください。前述の通り感情体は「カー」と強く結びついています。あなたの生命力そのものであるプラーナ体すなわち「カー」と感情体はとても密接に絡み合っているのです。もしあなたが自分自身に深い感覚体験を許せばそれにより「カー」は高速で振動します。これはヒステリックになったり感情的になったりすることとは違います。感情を表に出す出さないに関係なくただ深く感じる能力の豊かさが「カー」の振動を速めるという意味です。チャクラはあなたがたが感覚と呼ぶものと結びついています。エネルギーが胸の中央部、「大いなる変成器」であるハート・チャクラに移るとこの感覚のエネルギーはその最高の調整で鋭敏に調和された周波数へと変化します。ハート・チャクラの位置が上位チャクラと下位チャクラのちょうど中間にあるということが「大いなる変成器」としてよく言及されるゆえんです。ハート・チャクラは肉体の「中心太陽」とも呼ばれ、より高次の意識と全体性にいたるエネルギーの流れの全てがそこで生じるという片持梁(かたもちはり:一方の端を固定しもう一方を自由にした梁)のような部分なのです。ハート・チャクラは「花びら状」ですが他の全てのチャクラも精妙な領域ではまさに花にそっくりのエネルギー構造をしています。心の花が開く時にはかならず感覚の広がりが生じます。ですから感覚体験が増えれば増えるほど開いた心の花びらもさらに成長するのです。そして感じることを疎(おろそ)かにしたり止めてしまったり自分の感覚に正直でなくなると花びらは閉じがちになります。どれくらい自分を開き、深く感情や感覚を体験できるかについてだれもがそれぞれの快適さの限度を持っています。前にも述べたようにこれはその人の過去の条件付けに関係しています。実にあなたの過去の様々な体験が自分の感覚にまつわる内的姿勢や快適さのレベルを作り上げてきたのです。地球で今、起こりつつあるのはどんどんこま切れになっている時間の中でのめまぐるしいほどの体験の激増です。その結果、それに反応して感情や感覚を揺さぶるような状況が未曾有の増加を見せています。実はこうした状況こそ成長を加速するチャンスなのです。ところが自分にわき起こってくる感覚・感情やその深さが不快に感じられるとそうした感情の流れを実際に遮断したり減速させたりしてしまいます。そこで私達がお伝えしたいのはあなたが人生の瞬間瞬間に体験する感情、感覚の力とエネルギーこそがあなたをより高次の意識状態へと向かわせる食料であり燃料に他ならないということです。あえてもう一度繰り返しましょう。地球がより高次の意識のオクターブに移行しつつあるがゆえに時間が加速しています。より断片化した時間の中で起きてくる出来事や体験はますます増加し、これまでよりも多くの感覚・感情反応を呼び起こしています。そうした出来事や体験を受け入れることが成長を進化を加速させることを明確に理解してください。もしあなたがその体験を拒み、自分の感覚・感情反応を否定して非難の目で見るとするなら肝腎の点を見逃すことになります。自分の不快感を環境や人のせいにするのは正しいことではありません。あなたの感情や感覚とはその出来事に対する「あなたの解釈」にもとづいた反応なのです。つまりそれはあなたをエネルギー的に反応させ出来事や体験に対するあなた自身の尺度に気づかせようとするいわば鏡のような役割を果たしているのです。ここで言わんとしているのは人は基本的に自分の反応と体験を自分自身で作りだしているということです。すべての出来事における体験は自らの投影であり、解釈であり、創造であるとあなたが理解するまではどんな出来事もまたそのどんな究極の真実もあなたを躱(かわ)し続けるでしょう。例えば四人が集まり、何かが起きたとするとその出来事に対して四つの感情体験が生じそれらは各自の認識においていずれも正しいことになります。一見客観的と見なされる一つの出来事について四つの認識結果が生まれるということです。この点はどうしても明確にしておきたいところです。私達は人生での出来事を全部あなたが作りだしていると言っているわけではありません。中にはそういうケースも存在しますがここで私達がお伝えしたいのは人生における様々な出来事の中心となるような全ての体験に対する内的姿勢を作りだしているのはあなた自身であるということです。あなたが自分の体験をどう認識するかはあなたの信念、意図、受け止め方や感じ方、あるいは密かな予定表やその出来事に対する感覚・感情に基づいているのです。中略。自らの感覚・感情を開くことへの恐れは実際のエネルギーの流れに関係しています。精妙なエネルギー諸体が開きはじめると現実に物理的感覚刺激が肉体内を流れ出すのです。これは本人が気づいていないと警告になりえます。なぜなら何かしら根本を揺さぶられるような重大なことが起きていることがわかり、感じられるからです。その人が自分の人格や現実(リアリティー)についてどんな決定を下しているか、あるいは現実(リアリティー)のどこの存在しているかによっては、開くという行為は実に恐ろしいことかもしれません。しかしそれでもなお自分という存在のより壮大なる空間、より大いなる気づき、より大きな自由や可変性や流動性の感覚に自分を開くことはあなたの生まれながらの権利です。この霊的生得権に向けてあなたの精妙なエネルギー諸体は進化しているのです。あなたはただそのプロセスの進行を自らに許せばいいのです。中略。」
中略。
ヴァージニア
「たいていの大きな宗教では感情において兄弟の足跡をたどる必要性を説いています。イエスは愛と赦(ゆる)しの重要性をはっきりと認識し、仏陀は慈悲の情と崇高な道を非常に重視しました。では集合意識ハトホルとしてのあなたがたはこの心を開くというプロセスにおいて安寧(あんねい)とバランスを見出すのにどのように自由意志を用いてこられたのでしょうか。」
ハトホル
「私達にとって本質的なバランスの基点となるものは宇宙的な愛の流れです。それは存在のどんなレベルにも通じ流れています。その愛の流れは私達の感情に無条件の愛と受容を映し出す共鳴振動なのです。よって私達の望みはすべての生命の体験がこのバランスの基点にそろって到達することです。試練とも思えるような体験は私達自身の成長すべき点であると言えますがそれはあなたがた人類にとっても同様です。そのような受容的な共鳴の中にいると他者の受難をも理解できるようになります。それが思いやりです。したがって私達にとって核となる大切な基点は高次に整合された無条件の愛と受容という振動エネルギー場に達することにあります。そうしたエネルギー場に生きることで意識の螺旋を上昇していくことができます。そしてその愛のエネルギー場に達していない人や自分を愛することができない人、実際に自他を傷つけている人に手を差し伸べることが可能になるのです。私達はそうした(愛の)エネルギー場にあり、その肯定的な感覚で様々な状況を体験することが自分たちの進化にとってこの上ない促進剤であり触媒であることを学んできてます。」
中略。
意識の成長には「自らを開くことへの恐れ」を克服することが大事なようです。霊的成長をするためにはハートをオープンにし無条件の愛と受容を体現しなければなりません。ハトホルをはじめとする高次の存在は無条件の愛と受容を持って私達人類に接してくれます。これは彼らが精神性が高く波動エネルギー速く振動しているためです。私達がそういうレベルに達するには自分の意識の状態を見つめる必要があるかと思います。