激安という言葉が根づいたのはいつからでしょうか。
デフレ傾向がますます、強まっている感じがします。中国やアメリカはすでに株価が高くなっており、リーマンショックからは立ち直りつつあります。特に中国ではインフレ懸念まで出るほどです。
安く売らなければ売れないという心理が今の日本を席巻しています。ただ、トータルで流れるお金の量は減るわけですから、日本経済はしぼんでいっているとも言えます。政治の力でこの流れをなんとか食い止めようとしていますが、なかなか難しいようです。
もともと日本人は節約志向が強い国民性を持っています。貯蓄率も高く、将来に備えて、お金を大事に扱う人が多いのです。今、それが仇となり、お金を使わず、生活防衛に走る人が増えています。
一方、企業側もこの消費者の心理に反応し、安く売らなければ売れないという恐れの心理から安売りをしています。また、一方で、これをチャンスと捉えている企業もあります。消費者の意識が変わったのでそこに焦点を当てれば、消費が増えると考えているのです。
今、日本に欠けているのは将来に対するビジョンかと思います。以前は、経済を発展させて豊かになることが目的でした。では今はどうでしょうか。そう思っている人は以前よりだいぶ少なくなっているはずです。人の意識がだんだんと変化しているからです。
ただ、多くの人が昔のように衣食住に困る困窮した生活を望んでいるわけではありません。基本的な豊かさは必要なのです。
日本は和の国です。バラバラな考えだと大きな力は発揮できません。しかし、一度心がひとつになると、大きな力を発揮できるはずです。どんな日本にしたいのかを明確にすることが今、求められていると思います。